はじめに
「ユーザーはどのような道筋を辿って購入に至るのか?」
検索行動から読み解く“購買ジャーニー”の実態は、これまでブラックボックスでしたが、AIと検索データの連携により誰でも簡単に可視化できる時代になりました。
今回、検索インサイト分析ツール「ListeningMind」とChatGPTを活用し、「日焼け止め おすすめ」というキーワードに対するユーザーの検索パスを分析しました。その結果、多くのユーザーが購入直前にもう一度「おすすめ」と検索し直すという意外な事実が判明しました。
本記事では、この購買行動の全容と、データから導き出される効果的な広告戦略・コンテンツ設計の手法を事例とともに解説します。
分析手法:検索パスをAIで可視化するプロセス
【使用ツール】ListeningMind × ChatGPT
今回の分析では、以下の手順で膨大な検索データを処理・可視化しています。
- データ取得:ListeningMindのAPIを使用し、「日焼け止め おすすめ」を含む検索パス(前後の検索キーワード)と出現頻度データを取得。
- 分類・要約:取得したデータをChatGPTに連携し、検索意図ごとに「情報探索」「比較」「購入」などのフェーズに自動分類。
- 可視化:データの流れを直感的に把握するため、図解(Alluvial Diagram)として出力。
このプロセスにより、数千件の検索キーワードを個別に追うのではなく、「ユーザー群全体の動き」として捉えることが可能になります。

【分析結果】3つの購買ステージにおけるユーザー行動
分析の結果、日焼け止めを探すユーザーは、直線的に購入するのではなく、以下の3つのステージを経て意思決定していることが分かりました。
ステップ1:情報探索(検索初期)
- 主な検索語:「プチプラ」「顔用」「ドラッグストア」「敏感肌」
- ユーザー心理:自分の条件(価格、部位、肌質、購入場所)に合う選択肢を絞り込みたい。
- 有効な施策:条件別の「まとめ記事」や、特定の悩みに特化したLP(ランディングページ)。
ステップ2:比較・評価(検討中)
- 主な検索語:「ランキング」「焼けない」「40代」「トーンアップ」
- ユーザー心理:候補の中から、機能性や年齢適合性を詳しく比較したい。失敗したくない。
- 有効な施策:検証レビュー動画、年代別おすすめランキング、Before/Afterの比較コンテンツ。
ステップ3:購入決定(最終段階)
- 主な検索語:「おすすめ(再検索)」「ランキング」「効果(口コミ)」
- ユーザー心理:ある程度目星はついたが、最後にもう一度、信頼できる情報源で「正解」を確認したい。
- 有効な施策:権威性のあるランキングサイトへの出稿、決定打となる「限定オファー」や「No.1訴求」。
重要な発見:購入直前の「再検索」現象とは?
なぜユーザーは戻ってくるのか?
今回の調査で最も興味深い発見は、詳細なキーワード(「顔用 プチプラ」など)で検索した後、最終段階で再び「日焼け止め おすすめ」というビッグワードに戻るユーザーが非常に多いという点です。
これは、スペック比較で疲れたユーザーが、最後に「結局、みんながおすすめしているのはどれ?」という集合知(世間の評価)を確認し、安心感を得てから購入ボタンを押したいという心理の表れと考えられます。
マーケターが打つべき施策
この「再検索」のタイミングこそ、コンバージョン(CV)に最も近い瞬間です。
- ビッグワードSEOの再評価:「おすすめ」などのビッグワードは初期流入だけでなく、刈り取り(クロージング)の役割も果たしています。
- リターゲティングの活用:一度詳細ページを見たユーザーに対し、「ランキングNo.1」等の権威付け訴求を行う広告が有効です。
可視化テクニック:Alluvial Diagramの活用
Alluvial Diagram(アリュービアルダイアグラム)とは?
今回の分析レポートで用いたAlluvial Diagramとは、データの流れや変化を「川の流れ」のように太さで表現する可視化手法のことです。
検索パス分析においては、「どのキーワードから流入し、どの割合で次のキーワードへ分岐・合流したか」をひと目で把握できるため、複雑な購買ジャーニーをチームで共有する際に極めて有効です。
意思決定を加速させる「見える化」
数字の羅列では伝わりにくい「ユーザーの迷い」や「再検索の流れ」も、図解することで直感的に理解できます。これにより、レポートや戦略会議での説得力が増し、「なぜその施策が必要か」の合意形成がスムーズになります。
まとめ:検索パス起点で広告戦略を設計しよう
日焼け止めの購買は1回の検索では完結しません。複数回にわたる比較と、購入直前の「再検索」を経て決定されます。
- 各段階で訴求を変える:初期は「条件」、中盤は「機能」、最後は「安心感(ランキング)」。
- 検索パスは事実(ファクト):想像のペルソナではなく、実際の検索行動データに基づいて「誰に・いつ・情報を届けるか」を設計する。
経験や感覚に頼らず、ListeningMindのようなツールで検索パスという“事実”を可視化し、それを起点に戦略を立てることが、これからの広告運用の成功法則です。
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