【目的別無料テンプレート紹介付き】カスタマージャーニーマップとは?その概念からビジネス活用まで徹底解説!

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※導入企業例 / 出典: https://jp.listeningmind.com

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サービス資料より一部抜粋
目次

カスタマージャーニーマップとは?

カスタマージャーニーマップの概念

カスタマージャーニーマップは、顧客が製品やサービスに接触し、購入や利用に至るまでの一連のプロセスを可視化した図です。このマップは、顧客がどのような経路をたどり、どのような感情を経験するかを示すことで、企業が顧客体験を理解し、改善策を講じるのに役立ちます。

カスタマージャーニーマップの概念は、マーケティングや顧客体験(CX)管理の分野で広く使われていますが、特定の一人が考案したものではありません。この概念は、顧客行動の理解を深め、顧客との関係を強化するために進化してきました。

カスタマージャーニーマップは、1980年代から1990年代にかけて、顧客中心のマーケティング戦略が進化する中で発展しました。特に、サービスデザインやデザインシンキングの分野で重要な役割を果たしています。

具体的な貢献者としては、以下のような人物や企業が挙げられます。

  1. マイケル・トレシー (Michael Treacy) と フレッド・ワイアーズマ (Fred Wiersema):
    • 彼らの共著「The Discipline of Market Leaders」(1995年)は、顧客価値の重要性と、それを達成するためのビジネス戦略について述べており、カスタマージャーニーの考え方に影響を与えました。
  2. ドン・ノーマン (Don Norman):
    • UX(ユーザーエクスペリエンス)の分野で著名なデザイナーであり、彼の著書「The Design of Everyday Things」(1988年)は、ユーザー中心設計の重要性を強調し、カスタマージャーニーマッピングの基本概念に貢献しました。
  3. IDEO:
    • デザインシンキングのリーダー企業であり、ユーザー中心のアプローチを提唱し、カスタマージャーニーマッピングの方法論を普及させました。
  4. サービスデザインの専門家:
    • マーク・ステックル (Marc Stickdorn) とジェイコブ・シュナイダー (Jakob Schneider) の共著「This is Service Design Thinking」(2010年)は、サービスデザインの重要なリソースであり、カスタマージャーニーマップの作成と活用に関する詳細なガイドラインを提供しています。

このように、カスタマージャーニーマップは、複数の分野の専門家や企業による協力と研究によって進化し、今日の形に至っています。

カスタマージャーニーマップのビジネスにおける重要性

ビジネスにおいてカスタマージャーニーマップを利用することは、顧客満足度の向上、コンバージョン率の増加、リピート購入の促進に直結します。顧客のニーズや課題を正確に理解し、それに応じたサービスや製品の改善を行うことで、顧客ロイヤルティを高め、企業の収益性を向上させることが可能です。

カスタマージャーニーマップの作成手順

ペルソナの定義と重要性

成功するカスタマージャーニーマップを作成するためには、まずターゲットとなる顧客、すなわちペルソナを定義する必要があります。ペルソナは、顧客の年齢、性別、職業、趣味、購入動機など、具体的な属性で構成されます。これにより、実際の顧客のニーズと行動を反映したマッピングが可能になります。

タッチポイントの識別

カスタマージャーニーマップにおいて重要なのが、顧客がブランドとどのように相互作用するかを示すタッチポイントの識別です。これには、ウェブサイト訪問、店舗訪問、カスタマーサービスとのやり取りなど、顧客の旅のすべての接点を含みます。各タッチポイントで顧客がどのような経験をするかを把握することが、顧客体験の改善に直結します。

エモーションマップの作成

カスターマージャーニーの各ステップで顧客が感じるであろう感情をマッピングすることは、カスタマージャーニーマップをより有効にする上で重要です。カスタマージャーニーの各ステップで顧客が感じるであろう感情を詳細にマッピングすることで顧客の感情の波を捉え、ポジティブな体験を強化し、ネガティブな体験を最小限に抑えるための戦略を立てるのに役立ちます。また、エモーションマップを作成するにあたり、エンパーシーマップを活用することも有効です。

アクションプラン(=施策)の策定

最終的に、得られた洞察を基に具体的な改善計画を立てます。これは、顧客体験を向上させるための具体的なステップや行動を定義することを意味します。各タッチポイントでの顧客の体験を改善するためのアクションアイテムをリストアップし、優先順位を付け、実行に移します。

カスタマージャーニーマップの主要なテンプレートと作成補助ツール

カスタマージャーニーマップのテンプレートは、顧客の経験や行動を視覚化するための重要なツールです。以下は、メジャーなカスタマージャーニーマップのテンプレートと作成補助ツールです。

1. 共感(エンパシー)マップ

エンパシーマップの参考図
引用元:https://miro.com/templates/empathy-map/

エンパシーマップは、顧客の感情や思考を理解するためのツールです。エンパシーマップはカスタマージャーニーマップの準備段階で非常に重要な役割を果たします。エンパシーマップを使用して顧客の深い理解を得ることで、カスタマージャーニーマップをより効果的に設計し、顧客体験の向上に寄与します。

エンパシーマップの構成:

以下の4つのセクションで構成されます。

  • 見ていること: 顧客が目にしている情報や環境
  • 聞いていること: 顧客が聞いている情報や他者からの影響
  • 考えていること・感じていること: 顧客の内面的な考えや感情
  • 言っていること・していること: 顧客の発言や行動

エンパシーマップの役割:

  1. 顧客の視点を理解する:
    • 顧客が何を見て、聞いて、考えて、感じているかを詳細に理解することで、顧客のニーズや痛点を明らかにします。
  2. 感情と行動の把握:
    • 顧客がどのような感情を抱き、どのような行動を取るのかを可視化することで、顧客の行動パターンや動機を理解します。
  3. 共感の醸成:
    • チーム全体が顧客の視点を共有し、共感を持つことで、より顧客中心のアプローチを促進します。

参考サイト:

2. 現在の状況と課題のカスタマージャーニーマップ

現在の状況と課題のカスタマージャーニーマップ(Current State Customer Journey Map)
引用元:https://designalpha.jp/knowledge/ux/cjm/

現在の状態のカスタマージャーニーマップ(Current State Customer Journey Map)は、顧客が現時点で経験しているプロセスを詳細に可視化したものです。このマップは、顧客の視点から見た現在の体験を理解し、どこに問題や改善の余地があるかを特定するために使用されます。

現在の状態のカスタマージャーニーマップの目的

  1. 現状の把握: 現在の顧客体験を詳細に理解し、どのようなステップを経て顧客が目標を達成しているかを把握する。
  2. ペインポイントの特定: 顧客が体験する問題点やフラストレーションを明確にし、改善のための機会を特定する。
  3. 顧客中心の視点の強化: 組織全体が顧客の視点からプロセスを理解し、顧客中心のアプローチを強化する。
  4. 改善の優先順位設定: 現在の状態を分析することで、改善が必要な領域を特定し、優先順位をつける。

現在の状態のカスタマージャーニーマップの構成要素

  1. フェーズ: カスタマージャーニーの主要なステージ(認知、検討、購入、アフターケアなど)。
  2. 顧客の目標: 各フェーズで顧客が達成したいことや期待する成果。
  3. 顧客の行動: 各フェーズで顧客が実際に行っている具体的な行動。
  4. 顧客の思考・感情: 各フェーズでの顧客の考えや感情。ポジティブな体験とネガティブな体験の両方を含む。
  5. タッチポイント: 顧客がブランドと接触するポイント(ウェブサイト、店舗、カスタマーサポートなど)。
  6. ペインポイントと課題: 顧客が直面する問題やフラストレーション。

参考サイト:

3. 未来の状態のカスタマージャーニーマップ

未来の状態のカスタマージャーニーマップ(Future State Customer Journey Map)は、顧客が理想的な体験をするために、どのようなプロセスやタッチポイントを経るかを視覚化したものです。このマップは、現状の顧客体験を分析した上で、どのように改善できるか、どのような新しい体験を提供するべきかを示すためのツールです。

未来の状態のカスタマージャーニーマップ(Future State Customer Journey Map)
引用元:https://designalpha.jp/knowledge/ux/cjm/

未来の状態のカスタマージャーニーマップの目的

  1. 顧客体験の改善: 顧客がどのように感じ、どのように行動するかを予測し、現状のギャップを埋めることで、より良い体験を提供する。
  2. 新しいプロセスの設計: 既存のタッチポイントを見直し、新しいタッチポイントやプロセスを導入することで、顧客体験を向上させる。
  3. 目標の明確化: 顧客体験の向上を目指すための具体的な目標やKPIを設定し、組織全体で共有する。
  4. イノベーションの促進: 新しいアイデアやテクノロジーを導入し、顧客体験の革新を図る。

未来の状態のカスタマージャーニーマップの構成要素

  1. フェーズ: カスタマージャーニーの主要なステージ(認知、検討、購入、アフターケアなど)を明確にします。
  2. 顧客の目標: 各フェーズで顧客が達成したいことや期待する成果を示します。
  3. 顧客の行動: 各フェーズで顧客が取る具体的な行動を記載します。
  4. 顧客の思考・感情: 各フェーズで顧客がどのように感じ、何を考えているかを記述します。
  5. タッチポイント: 顧客がブランドと接触するポイント(ウェブサイト、店舗、カスタマーサポートなど)を示します。
  6. ペインポイントと改善機会: 現状の問題点(ペインポイント)と、それをどのように改善するか(改善機会)を特定します。
  7. ソリューションとアイデア: 顧客体験を向上させるための具体的なソリューションやアイデアを記載します。

参考サイト:

4. サービスブループリント

サービスブループリントの図
引用元:https://creately.com/diagram-community/popular?term=service%20blueprint%20template

サービスブループリント(Service Blueprint)は、顧客がサービスを利用する際の全体的なプロセスを詳細に視覚化するツールです。これは、顧客の体験だけでなく、サービス提供の裏側で行われるすべての活動やプロセスも含めて示します。サービスブループリントは、サービスデザインやサービス改善のために使用され、顧客体験を向上させるための重要な情報を提供します。

サービスブループリントの目的

  1. 全体像の把握: サービス提供の全体像を理解し、顧客体験を支える内部プロセスを可視化する。
  2. ギャップの特定: 顧客体験と内部プロセスの間のギャップや問題点を特定し、改善点を見つける。
  3. 一貫性の確保: サービス提供の一貫性を確保し、顧客に対して高品質な体験を提供する。
  4. 効率化: 内部プロセスを効率化し、リソースの最適配分を図る。

サービスブループリントの構成要素

  1. 顧客行動(Customer Actions): 顧客がサービスを利用する際に取る具体的な行動。
  2. フロントステージ(Frontstage Actions): 顧客と直接対面する従業員の活動や、顧客が直接触れる要素。
  3. バックステージ(Backstage Actions): 顧客と直接対面しない従業員の活動や、サービス提供の裏側で行われるプロセス。
  4. サポートプロセス(Support Processes): サービス提供を支える内部のサポートプロセスやシステム。
  5. 物理的証拠(Physical Evidence): 顧客がサービス体験の中で目にする、触れる、感じる物理的な証拠。

参考サイト:

5. スイムレーンダイアグラム

スイムレーンダイアグラム(Swimlane Diagram)
引用元:https://miro.com/ja/templates/swimlanes-diagram/

スイムレーンダイアグラム(Swimlane Diagram)は、プロセスやワークフローを視覚的に表現するツールの一つで、特に役割や責任を明確にするために用いられます。各「レーン」は特定の関係者や部門、システムなどを表し、プロセスの流れがそれぞれのレーンを横断する形で示されます。これにより、誰が何をいつ行うかが一目で分かるようになります。

スイムレーンダイアグラムの目的

  1. 役割と責任の明確化: 各タスクやアクティビティがどの役割や部門に属するかを明確に示します。
  2. プロセスの可視化: プロセス全体の流れを視覚的に表現し、各ステップがどのように連携しているかを理解します。
  3. コミュニケーションの向上: プロセスに関与する全員が同じ理解を持つことで、コミュニケーションを円滑にし、ミスを減らします。
  4. プロセスの改善: 現状のプロセスを分析し、非効率な部分や改善点を見つけるための基盤を提供します。

スイムレーンダイアグラムの構成要素

  1. レーン(Swimlane): 各レーンは特定の関係者(個人、部門、システムなど)を表し、縦または横に区切られています。
  2. タスクやアクティビティ: プロセスの各ステップやアクティビティを示すボックスや図形。
  3. フローライン: タスクやアクティビティをつなぐ矢印で、プロセスの流れを示します。
  4. 開始点と終了点: プロセスの開始と終了を示す図形(通常は円や楕円)。

参考サイト:

  • Miro: Miroは、スイムレーンダイアグラムの無料テンプレートを提供しています。

これらのテンプレートを活用することで、カスタマージャーニーを詳細に分析し、顧客体験を改善するための戦略を立てることができます。各テンプレートには特有の利点があり、特定のビジネスニーズや状況に応じて最適なものを選ぶことが重要です。

ビジネスへのカスタマージャーニーマップの適用

カスタマージャーニーマップへのフィードバックの取り入れと改善点

顧客からのフィードバックをカスタマージャーニーマップに反映させるには、アンケート、インタビュー、ユーザーテストを通じてフィードバックを集めます。収集したフィードバックを分析し、顧客体験の共通の問題点や良い点を理解します。このフィードバックに基づいてカスタマージャーニーマップを更新し、顧客の実際の体験を反映させ、接点を改善します。このプロセスにより、ビジネスは顧客のニーズをより効果的に理解し、満たすことができます。

カスタマージャーニーマップの活用事例とケーススタディ

実際のビジネスでカスタマージャーニーマップがどのように活用され、どのような成果をもたらしたかの例を紹介します。これにより、読者はカスタマージャーニーマップの実践的な利用方法とその効果を具体的に理解できるようになります。

三井住友銀行

三井住友銀行では、カスタマージャーニーマップ・マネジメント(CJMM)を通じて、企業全体で一貫した顧客体験の提供を目指しています。この取り組みは、サービスの重複を避け、顧客のニーズに合わせた体験を設計するために重要です。各部署の取り組みを統合し、顧客中心のサービス設計を促進するCJMMの実践は、顧客満足度の向上に直結します。この新しいアプローチは、銀行業務に新たな視点をもたらしています。

参考サイト:SMBC DESIGN(note)

日本政府観光局(JNTO

JNTOでは、訪日外国人旅行者の行動に合わせたカスタマージャーニーマップを使用し、マーケティングの全体戦略を立てています。このマップは、ユーザーがどの段階でどのような情報を必要とするかを時系列で可視化し、適切なメディアを通じて情報を提供しています。さらに、PDCAサイクルを回すことで、得られたデータを次の戦略に活かしています。JNTOのこのアプローチは、地域インバウンド促進に役立っています。

参考サイト:日本政府観光局(JNTO

カスタマージャーニーマップの最適化とアップデート

データ分析と顧客フィードバックの活用

カスタマージャーニーマップを継続的に更新するためには、顧客からのフィードバックやデータ分析が不可欠です。データ分析と顧客フィードバックの活用については、顧客からのフィードバックを収集するためにサーベイ、インタビュー、ユーザーテストなどの方法が利用できます。収集したデータは、顧客の行動パターン、好み、ニーズを理解するために分析されます。その後、この分析結果を基にカスタマージャーニーマップを更新し、顧客体験を向上させる具体的な改善策を策定します。

継続的な改善プロセス

ビジネス環境と顧客ニーズは常に変化しています。そのため、カスタマージャーニーマップもまた継続的な改善が必要です。継続的な改善プロセスでは、定期的な顧客フィードバックのレビュー、市場動向の分析、および内部パフォーマンスデータの評価が含まれます。これらの情報を用いて、カスタマージャーニーマップを定期的に更新し、顧客体験を改善する具体的な措置を定めます。このプロセスをビジネス戦略の一部として組み込むことで、企業は市場の変化に柔軟に対応し、顧客満足度を維持・向上させることができます。

よくある質問と答え

カスタマージャーニーマップ作成の際の共通の誤解

カスタマージャーニーマップ作成における一般的な誤解には、全ての顧客が同じ経験をするという仮定や、一度作成すれば完了という考えが含まれます。実際には、異なる顧客セグメントや行動パターンを理解するために複数のマップが必要ですし、市場や顧客ニーズの変化に応じてマップは定期的に更新されるべきです。これらの誤解を避けることで、より効果的なカスタマージャーニーマップを作成することができます。

カスタマージャーニーマップとUXデザインの関係

カスタマージャーニーマップとUXデザインは密接に関連しています。カスタマージャーニーマップは顧客の体験を視覚化し、その情報を基にUXデザインはユーザーのニーズを満たすように製品やサービスを設計します。この相互作用により、ユーザーの体験が向上し、結果的にビジネスの成長につながります。

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リスニングマインド導入企業例

※導入企業例 / 出典: https://jp.listeningmind.com

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著者について

ListeningMindの機能と使い方に関する情報、市場調査レポートの公開、及び関連するマーケティング手法についてのコンテンツをお届けするListeningMind marketing office.の編集部です。

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